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「もうちょっとしたらベロニカがログインするはずだから。
それまでそうね…スクショ用のファッションとか背景選びたいから、お母さん少し動かなくなるけどいいかな?」
「スクショ?」
椅子に座りながら私達はお茶を飲み、お母さんから聞いたことない単語が出た。
「スクショってのはね、画面をキャプ…ようは写真よ。
今のあなた達の姿はとっても可愛い3歳児くらいなの。
NPC子供の成長は早いから可愛い時はあっという間に過ぎてしまうわ。
だから家族で色んなスクショを撮ってアルバムを作るのよ」
写真の事かぁ。
そういえば観光客がよくカメラを私に渡して撮ってとお願いして来たっけ。
「分かった、お母さん!草いい子に待ってるね!」
草…クロスがそう元気よく手を上げて言うとお母さんは
「草じゃないよ。あなたはクロス。十字架とか交差するって意味だけど、私は人と人との絆が交差する、交わるって意味で付けたのよ」
と笑顔でクロスの手を自分の手で包む。
「私は?」
「あなたの名前の意味は昔の小説に出てくる有名な吸血鬼の名前よ。
とってもすごくてかっこいいんだから!
お母さんの憧れなの」
よかった。意味のある名前…それも嫌な意味じゃない 名前。
素敵な名前をつけてもらえて 私は幸せだ。
「それじゃあお母さんはちょっと動かなくなるけど、何か聞きたかったらドランに聞いて。
カモン、ドラン」
お母さんがそう言うととっても可愛いぬいぐるみのような動物?が歩いてこちらに来た。
「初めまして。アルグ様 クロス様。
僕は エルダードラゴンの子供のブルードランと申します。
何でも聞いてください。僕に答えられることなら何でもお答えします」
ブルードランと名乗ったその動物はペコリとお辞儀をする。
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