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第3話「父ベロニカ」
地面に浮き上がる白い光…その中から突然人が現れた。
「ただいまグロリー。
お、子供達が成長しているな」
ウェーブのかかった白い髪に黒い革の服を着たキレイな男の人。
「おかえりなさい、ベロニカ。
メール見てくれた?」
お母さんはその男性に抱きついてさっきとは違う甘えた声で問いかける。
「今読んでるところさ。
ちょっと信じられないけど、グロリーが嘘をつくことはないもんな」
「グロリー?」
私がそう聞くとベロニカと呼ばれた人はこちらにやってきて、しゃがんで私の目線に合わせてくれる。
「グロリオーサのことだよ。
それにしても成長が早いな。
明日にはもう、採取に出れる年齢になるのか」
ベロニカはそう言うと私の頭をくしゃくしゃ と撫でてくれる。
「お母さん、この人は?」
「この人があなたたちのお父さんよ。
ねえベロニカ。スクショを撮りましょ。
私、ファッションを選んだのよ。 何着か課金して買ったから、ベロニカも好きなのを選んで」
どうやらこの人が私たちのお父さんらしい。
私はそっと手を伸ばし、お父さんに触れずに ステータスを見る。
「お父さんってすごい…お母さんよりも数字がいっぱい!」
「ん?ステータスを見ているのかい?
まあ一応、私はこのオフロで1位のプレイヤーだからね」
お風呂って…体を洗う場所だっけ?
「オフロっていうのはオッド・フロンティアの略称です。
ベロニカ様。彼らをどうするんですか?」
空ちゃんが恐る恐るそうお父さんに聞くと
「うーん。そうだね…まず通報はないね。
このまま私たちの子供として育てていく。
お前たちも協力しろ。
…もし通報しようとしたら…分かってるな?」
お父さんからどす黒いオーラが出てピーちゃん達やドランちゃん達が倒れ込む。
「ははぁ!絶対に通報などしません!
それに、他のプレイヤーたちやNPCたちにも絶対に通報させません!」
「よろしい。
それじゃあ、着替えてスクショを撮ろうか」
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