第3話「父ベロニカ」

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お父さんもお母さんのようにいつの間にか服装が変わっていた。 「アルグは青い瞳だから青い服。クロスは、赤い瞳だから赤い服にしましょうか」 「そうだな、この服なんて可愛くないか? 胸に大きな宝石のついた服。 この宝石には何か効果があるらしい」 私達の服も一緒にして色々な服に変わる。 白いフリフリのクロスと同じ服。 違いといえば。リボンが色違いなぐらいかな。 そのリボンの上に次々と大きな宝石が現れては消えて、また新たな宝石が現れる。 「この宝石いいわね。経験値とスキルポイント上昇速度アップ」 「じゃあこの宝石にしよう。 さて、服決まったことだし」 お父さんとお母さんは、観光客のようにポーズを取ったり、私たちを抱きしめたり、何もない場所に向かって笑顔を向けたりする。 「カメラはどこにあるの?」 「私達と同じ方向を向いて。 実際には見えないけれども、ちゃんとカメラで写真を撮っているようになるよ。 ほら、見てごらん」 お父さんが指で空中をなぞると私達の写真みたいなのが映し出された。 「すごい!」 一体どうやってやってるんだろう? 私たちのいた世界とはまるで別世界。 不思議なことがいっぱいいっぱいある! 「そろそろご飯にしようか? 君たちは何を食べたい?」 お父さんに聞かれて私とクロスは悩む。 「料理の名前がわからない… でも、パンよりもお肉が好きです」 観光客が捨てていったパンに挟まれたお肉。 あれはとっても美味しかったなぁ。 「じゃあ、ミートプレートにしようか。 今取り出すから、待っていて」 そういうとお父さんはテーブルの方に歩いていき、何もない場所からほかほかの湯気が上がるいい匂いがするお肉が乗ったお皿を取り出した。 「すごい!魔法?」 「魔法じゃなくて、こういうものなんだよ。 イベントリっていうところから物を取り出すことができるんだよ」
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