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私とクロスは自分で椅子に座り、お母さんが出してくれる朝ごはんを食べる。
「これとっても美味しい!」
パンの上に丸いお肉と黄色いトロトロが乗っている。
トロトロはビヨーンと伸びて美味しい!
緑の丸い細いのは苦いけど頑張って食べる。
「お母さん、これなーに?」
「ピザトーストっていうのよ。
昔の人間たちはこういうものを朝食べていたみたい」
昔の人間?
「色々話さなきゃいけないことがあるわね。
でも、何から話しましょう…
何から聞きたい?」
「さっきのシュヴァルなんとかについて教えて。
シュヴァルなんとかがあると学校に行けないの?」
学校にとても憧れていたから、学校に行けないっていうのはちょっと悲しかった。
「シュヴァルポイントってのはね…まあ、簡単に言うと悪いことをするとたまるポイントなの。
私もベロニカもたくさんPKしてきたから、すごくシュヴァルポイントが高いのよ」
「悪いこと?!
お母さん、悪者なの?」
クロスが驚いたようにテーブルにピザトーストを落としてしまう。
「現実世界では悪いことは何もしてないけれども、このゲームの中でたくさん人を殺しちゃったからね。
もちろん、現実世界の人は殺したことはないわ。
ゲームの中で人を殺しても、現実の人は死なないから大丈夫よ」
「よかった。お母さん優しいから悪い人には見えなかったもん。
ねえ、ゲームの世界って本当なの?」
クロスがピザトーストを拾って食べながらお母さんに聞く。
「本当なのよ。
…もしかしてクロスは元の世界に帰りたい?」
「帰りたくない!
あんな嫌な世界消えちゃえばいいんだ!」
「クロス…」
クロスは元の世界ではまだ5歳だった。
それでもたくさんたくさん嫌な思いをしてきたんだ。
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