0人が本棚に入れています
本棚に追加
第5話「初めてのお外と2人の先生」
「まずはお家の外に出よっか。
すぐにあなたたちの先生が来てくれるよ」
「先生?学校じゃなくても先生がいるの?」
「先生になってくれる人がいれば、その人が先生なのよ。
今回はニックとロイが来てくれるわ」
お母さんと一緒に外に出るとお外は月明かりが照らす薄暗い世界だった。
「お外夜なの?
夜なのに先生来てくれるの?」
クロスは怖いのか、私の服にぎゅっとつかまる。
「ここはムーンコールサーバーって言って、1日中夜なのよ。
時間的には今お昼前なんだけどね」
「そうなんだ。異世界だからそれが普通なのかなぁ?」
お家の横には淡く光るお花が咲いていた。
後ろを振り返ってお家を改めて見るけど、まるでお城のようにすごく立派だった。
神様のおかげかなぁ…
すごく偉い人のおうちに転生したのかもしれない。
「ほら、先生が来たわよ」
お母さんが空を指さすと、その方角から何かが飛んでくるのが見える。
「大きな鳥さんと魔法使いだ!」
「ほんとだ!あんなに大きい鳥初めて見るよ!
魔法使いは映画みたいにほうきに乗ってる!」
観光客が捨てていった雑誌に乗っていた魔法学園の映画のことが書いてあったっけ。
すごく人気な映画で、周りの子供達がよく話していた。
バサバサと音を立てて大きな鳥さんが目の前に降りてきた。
続いてほうきに乗った私達よりちょっと年上の男の子が着地した。
最初のコメントを投稿しよう!