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そんな微笑みを向けられたのは初めてだった。ペオニアの前が衣を押し上げるほど起立して今にもはち切れんばかりの状態になっていることにハイドは気付いた。主も自分と同じ様に〝苦しい〟のだと安心したと同時に、そっと主の衣に触れる。するとペオニアはびくりと体を震わせた。
「申し訳ございません……僕ばっかり良くなってしまって……。ご奉仕させていただけませんでしょうか?」
「いや……俺はいい。今日はよく頑張ったな。もう休みなさい」
そう言いペオニアは自室のキングサイズのベットを指した。
「……はい。おやすみなさい」
「おやすみ」
……ペオニア様を満足させることが出来なかったのだろうか。
期待に答えられなかった、その事実がハイドの胸に重くのしかかる。漏れ出てしまいそうになる嗚咽をペオニアに悟られぬようぐっとこらえながら眠りについた。
*****
ペオニアはハイドが眠りについたことを確認すると大きく溜息をついた。
〝こんなはずじゃなかった……〟
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