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夜空に広がる深い紺碧の帳が、無数の輝く星々とともに、王宮の庭園を覆い尽くしていた。月の明かりが澄んだ空気を照らし、そこに咲き誇る花々が夢幻的な彩りを放つ。庭園の中央の噴水は、月光に照らされ、水しぶきが舞い散る様子が、まるで宝石のような輝きを放っている。噴水を取り囲むように配置された彫刻と花壇を見れば、ここが童話の国と言われているのも頷ける。
広場に設けられたテーブルには、上質な料理と贅沢な飲み物が並び、宮廷楽団が奏でる美しいメロディとともに、優雅な舞踏が繰り広げられ、開会を国民が今か今かと待ち望んでいる。
「愛らしいな……綺麗だよ」
ペオニアはハイドの頭を軽く撫でた。ハイドが纏っていた衣類は、お披露目用の盛装で腰に飾りと所々秘所を守るようにデザインされた流星群の刺繍が散っているのみで、あとは月や星の輝きがハイドを照らす度、シフォンの布地が透けて全てを晒す事となる。
「恥ずかしいです……」
ハイドは頬を赤らめうつむくと、それだけでペオニアには艶っぽく見えてしまう。そんなハイドを褒め称えるようにペオニアは髪に唇を落とした。するするとした感覚がハイドの肌に伝わり身震いをさせる。
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