信頼を得るということ*

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 あろうことかペオニアはハイドの肉欲を口の中に含むと舌を使って愛撫し始めたのだ。性技とは無縁だったハイドにとっては耐えきれない刺激となり、気を抜くとすぐにでも達してしまいそうになっていた。だがそんなことを主にさせるわけにはいかない。必死に快感の始まりを掴み、欲望に飲まれぬように耐えた。その思考はドロドロに溶けて目の前がチカチカと光る。 「我慢する必要などない」  そう口にしながらペオニアはハイドの手をどけて、肉欲を深くまで咥えた。 「ぁああっ……ぅあっ!」  ハイドは大きく反り返ると喉を震わせ絶頂に達した。しばらくは痙攣を起こしながら膝ががくがくと震えていたがなんとか呼吸を整えることが出来たようで涙の溜まった瞳で主を見上げた。 「ハイドはいやらしいな……男なのにこんなに俺の口の中で達してしまうなんて……」  ペオニアに幻滅されたのだと、そう感じたハイドの目じりからはぽろぽろと涙が伝った。しかし主はすかさず彼の頭を撫でながら微笑みを浮かべた。 「とても愛らしかったぞ」
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