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速水さんと焼き鳥屋に行って話をつけた後、なぜか急に仕事が忙しくなった。
そろそろ忙しい時期になるから、その前に陸とデートしたかったのに、それもままならないほど忙しい…。
「…栞、今日…いい?」
ここ数日残業続きで疲れ果てていたけれど、どうしても会いたいと言われ、陸を部屋に招いた。
帰るとすでに陸が部屋に来ていて、慌ててお茶を出そうとしたところで…いきなり迫ってきた。
会いたいって…そういうこと?
嫌な訳ではなかったけど、食事もおしゃべりも、なんならムードもなにもなく迫られるのは苦手だった。
「いい…?」と聞かれて、かすかにうなずくしかできない私の本音も知らないで、陸はいきなりベッドに押し倒した。
チュッとキスをして、ササッと胸を撫で、すぐに挿れようとする。
…まだ何も感じてない…。
痛いだけ…やだ。
そう言えないまま彼を受け入れ、すぐに激しくなる律動に、目を閉じて耐えた。
終わると彼は勝手にシャワーを浴びに行ってしまう。
…こんなとき少しだけ将来の不安を感じるが、多かれ少なかれ、お付き合いをしていればどんなカップルにもあること。
そう思っていた。
速水さんとのことは、幸い陸の耳には入っていないようで、約束は守ってくれているらしい。
時期を見て、陸にも打ち明けようとは思っている。
このままいけば多分、結婚することになるから。
何度目かのため息をついたあと、陸がシャワーから戻ってきたので、入れ替わりにシャワーを浴びて戻ってみると…。
陸はすでに大いびきでベッドに大の字になっていた。
私はこたつで眠る覚悟をして、気だるい疲れを感じながら、眠りについた。
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