エピソード2.

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「…お前どういう場所に部屋借りてるんだよ。 今まで残業した日はどうやって帰ってたわけ?」 駅から徒歩20分。 墓地をぐるりと回る近道は確かに不気味で、速水さんは壁の向こうのお墓を見て飛び退いた。 …心霊とか幽霊とか苦手みたいだ…! 弱点1個ゲット。 「遠回りすれば人通りあるし、問題なしです」 やっとアパートが見えてきて 「ありがとうございました。ここで大丈夫です」 と言うと、遠目ににも関わらず、速水さんが驚いた声をあげる。 「お前…ここに住んでるのか?」 私の住むアパートは、確かに築年数が相当古い。引く気持ちもわかるけど、そんな驚いた顔しなくてもいいじゃん。 「そ…そのうち引っ越しますよ。多分陸と結婚するし」 「…にしても、これはひどいだろ?品川は何にも言わねぇの?」 話しながら入り口近くまで一緒に来てしまった。 「…102号室。しかも1階…」 「防犯上危ないのはわかってますよ。でも2階より家賃が500円安いんです!」 ほらほら帰った帰った…と言って、追い払うように手をヒラヒラさせたその時… 「あ…あぁぁぉん…!」 どこからともなく、アノ最中の声が聞こえてきた。
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