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「…へ?」
「今、陸と浮気してる相手です。
妹と言っても血の繋がってない妹で。うち、両親離婚してて。母の再婚相手の連れ子なんです。
だから姉妹と言っても他人で…」
妹の理羅はまだ20歳の大学生。
甘え上手で私の部屋にもちょくちょく遊びに来ていたが、私とはタイプが違って仲良しとは言えなかった。
それでも「妹」という存在が嬉しくて、陸に紹介したのが先月の話。
私の部屋で、3人で飲んだこともあったけど、まさか2人がそんな関係になるとは思いもよらなかった。
今日は多分、私の部屋に来ていた陸と理羅が偶然鉢合わせて、そんな雰囲気になったのかもしれない。
…だとしても、どうして私の部屋で始めるのかね…。
「…そうなのか。連れ子同士とはいっても家族なわけだろ?…なかなかヘビーだな」
会社の人に、自分の生い立ちを話すのは初めてだった。
ううん。もしかしたら、人に話したのは初めてかもしれない。
はぁ…と、自嘲気味に笑うと、速水さんの方はいつになく真剣な顔で言う。
「…一発殴りに行かなくていいのかよ?」
「…殴り…に?」
「品川だよ。あいつお前の妹って知ってて手を出してるんだぞ?サイテーだと思わないのか?」
「お…思うけど…」
陸とは数日前に体を交えたばかり。
変な話、ちゃんと発散できたはずなのに妹を抱くなんて、もしかしたら私では満足できなかったのかな…。
そんな不安をよそに、速水さんは「だったら行くぞ」と言ってあっという間にお会計をして、私の腕をつかんだ。
「…あ、あの、今のお店の分は、私が払いますから…!」
「そんなのいいから!しっかり殴る準備だけしとけ」
うっふぅぅぅぅぅん…
アパートに着くと、まだあえぎ声が聞こえる。
いったいいつまでもやる気…!?
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