短夜長く

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 メニュー表を見るとスイーツだけでなく、しっかりとした料理もあるみたいだ。昼の平日には普通にランチとか、夜にはディナーとかもやっている。どちらかと言うとカフェよりレストランに近いが、ここは店側の主張を尊重しよう。 「ね? いいでしょ。スイーツだけじゃないし」 「ああ」  二人で頼んだ料理を食べていると、見知った顔のクラスメイト二人が僕らの存在に気づいた。そのうちの一人は隣の席の女子。もう一人は結構暗めの印象だが、誰かと遊びに行ったりとかするんだな、と率直な感想。名前は失礼ながら知らない。 「ヤッホー。涼。やっぱ、二人はそういう関係なの? いつから?」 「でも、涼の事だから分かんないよ」  同姓でも、変わらず変人という扱いなのね。二人は僕らの座っている席に許可もなく相席した。 「ふふー。私も身を固めましてね」  涼のその発言は見事に、隣の席の女子にスルーされる。そんなこと気にも留めていなそうだ。 「どこが気に入ったの? 佐々木の」 「もちろん全部」 「天下の変人様が、そんな回答でいいんですかね」 「別に良くない? 私だって、普通の女の子だよ?」
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