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僕の入っていけるような会話ではないので、ここはスルー。そう思った矢先。
「で、佐々木は涼のどこが好きなの?」
絶対来るとは思っていたが、やめて欲しかった質問。
「ぜ……」
「全部、は無しね」
こういう会話における逃げ道を塞がれてしまった。それに、涼もその逃げ道使ってただろ。
「綺麗なところ」
「うわー。ありきたりだと嫌われるよ。涼は誰が見ても変人なんだから」
「わ、私だって、中学の時まではまともでしたー」
これ、いつ終わるんだろう。涼の顔は少し赤くなっているようにも見えなくはない。
そんなことよりも、自分のメンタルの方が先に潰れそう。
「ふーん。じゃあ、それらは置いておいて、涼は何で彼に決めたの?」
それにおいては、自分も気にならないわけではない。あんなに他の人に告白されて無反応だった涼が、オーケーするなんて事考えられなかった。
「そりゃあもう。彼から熱い愛の告白を……」
グラスに入った水を喉に流し込んでいたが、それが変なところに入り込んだ。ゴホッゴホと咳き込む。
「待った。待て。涼。君は君の友達を誤解させようとしている」
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