短夜長く

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「この前、女子のクラスメールで一番付き合いたいクラスに男子の投票をやったんだよ」 「なんで?」 「結構、日常茶飯事」  なんでそんな事が日常茶飯事なのだろうか。 「それで、全会一致で君だったよ」 「……おかしい。何かの間違いだろ」  全会一致って……あれ? 柳田の彼女は? 「で、どれくらい告白されたことあんの? で、どれくらい振ったの?」  度々告白されたことはあるが、全て断った記憶がある。 「高校入ってから三回。全て断らせてもらったよ」 「罪な男だね」 「だから、なんなのさっきから」 「私なんて十三回中全部、丁寧にスルーさせて貰ったよ」 「こういう時に、罪な女だね。と使うのが多分正しい。というか、僕より全然涼の方がやばいなあ」 「さあ?私はほら。その場にいるだけでその場を明るくできるから。その気になれば」 「その気になれば、ね」  実際可能だろう。中学生のときそうだったのだから。 「中学校の時からも結構人気あったよね。あまり目立たないクラスメイトの一人だったけど、容姿が良かったからって、結構チヤホヤされてたり」 「読書してただけなのに。というか涼の評価が結構酷い」
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