短夜長く

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「この子と似てないっていうことは、暗に綺麗じゃないって言ってるのと同じだよ」  あ。はい。そうですか。 「普通に綺麗だとは思いますけどね」  なんの考えもなく、ただ機嫌を取るために言ったのだが(実際綺麗ではある)、爆弾発言だったみたいだ。楽器屋のお姉さんも狙ってた感が少しある。 「ジト」 「あーあ。嫌われちゃった。これから迂闊な発言は控えた方がいいよ」 「ごめんって。涼」  確かに迂闊だったかもしれない。これからは気をつけることにしよう。 「にーしても、冬川さんがお友達連れてくるなんて珍しいじゃん。その最初が男の子なんてさ。どういう関係?やっぱり恋人だったり?」 「さあ。どうでしょうね」 「普通、付き合ってなかったら揃いも揃って『違う!』とかっていうもんだけどね。そうか。付き合ってるのか」  確かに付き合っていないのに、付き合ってるのって聞かれたら秒で違うと返す自信がある。ただ、今回は別に付き合ってるしとスルーしたが、そんなに違いが出るものなのか。身をもって体験するというのはまさにこの事だ。 「冬川さん。新しいギターとベース入ったから弾いてく?」 「是非」 「弾いてってもいんだ」
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