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引き方とかは、動画見たってよく分かんなかっただろうし、ベテランさんが教えてくれるのならば、やらないという手はない。
「ぜひ、自分のが欲しくなったら私のところ来てね。少し値引きしてあげるからさ」
「商売上手ですね」
「そんなこと言ってると、値引きしてあげないよ」
「逆にここ以外の楽器屋なんて知らないですよ」
調べれば出てくるだろうが、最初にここにきて良いところだったとなると、他の場所に行くことがなくなるのはなんでもあるあるだ。本屋でも、古本屋でも……。この二つまとめちゃって良くね?
それから長い間涼の演奏を見ていたが、指の動きを目でも追えず、最終的にそこら辺にあった楽譜の解読にチャレンジしてみた。出来なかったけど。
そして、諦めたところでずっとシンセを弾いていた涼が手を止めて言う。
「忘れるところだった」
「ん?」
「今日は、弦を買いに来たんだよね」
しっかり目的はあったのか。でも、ギターとかベースとかの弦なんて、丈夫そうだが。
「いつも通りでいいの?」
「いつも通りで」
「実は、少しだけ売れちゃってさ。いつもより数少ないんだけどいいかな?多分、十五個くらいはあると思う」
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