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斜め前の涼の方を見ると、彼女もこっちを見ていたので助けて欲しいというふうに目を合わせるも、前を向かれてしまった。あとで覚えてろよ。
「確かに二人は似合いそう」
「うん。二人ともスペック高いし」
男子どもだけでなく女子の方も話が盛り上がっている。だんだん人が集まってきた。なんでそんなに俺らん時だけ盛り上がるんだよ。他にもいただろ。これまでも。ただ、これは僕と涼のそっけなさの反動とも考えられなくはない。もっと人と関わりを持つべきだったか……。
涼が涼なので、意味がないかという結論に落ちる。
「授業始まるぞー」
その先生の合図で一旦この噂の気配は薄まった。
昼休み。
飯を食う時間だが、何人かの友達がこちらをチラチラ見てきていたのに気づいていたので、とりあえず食堂に逃げ込む。そして窓側の一席に陣取る。いつも自分のいる場所だから、他の人に取られていると言うことはない。新入生が入ってきてから一度だけあったけど。
「何食べんの?」
「今日はうどん。涼は?」
「月曜日だからカレー」
「それ、普通金曜日じゃない?」
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