短夜長く

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 とりあえず注文はしておいたため、待ち時間というわけだ。この学校、食堂だけはなんか設備が良くて、食事が出来上がると音が鳴るようなやつもある。他の設備投資してほしいが、一介の学生が口出しできるようなことではないので、口に出さない。  涼は、何も言わずに向かいの席に座った。 「涼って噂とか気にしないタイプ? ……ってごめん。聞く必要もなかったわ。にしても、よく僕のいるとこわかったね。入り口から見えないはずなのに」  色々な奇行の噂が飛び交う中で、こんなに飄々としている人に噂に対することを聞く必要はない。 「だっていっつもこの席だったじゃん。それに、君は遠くからでも認識できるように脳がなってる」 「よくわからないし、少し怖い」 「家族とかは人混みの中でも見つけやすいじゃん。視力低くても」  視力はいい方なので悪くてもという部分がどうかわからないが、なるほど。家族や友人は見つけやすい。ただ、それもその人を探し慣れないと身につかないものであって、短期的につくようなものではないはずだが。 「視力悪くてもわかるかどうかは、視力が悪い友達に聞くことにするよ」 「私」 「ん?」
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