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お互い別々の大学に進学したあとも、古川との付き合いは続いた。
……とはいっても、3ヶ月に1回くらいのペースで、古川から呼び出されて、俺は彼女の話の聞き役に徹する、みたいな感じだけど。
それでも、古川に会えるのが嬉しい、なんて思ってるあたり、ホント、どうしようもない。
「肉、そろそろいいんじゃね?」
「……だね、早く食べよ」
焼き上がった牛カルビを食べながら、俺は彼女に訊ねる。
「……で、最近どうよ?」
あいまいな質問なのは、あえてだ。
だって、古川が俺に声をかけてくるのは、谷口がらみでなんかあった時だけだから。
「こないだ、真に別れ話された。……他に好きな子が出来たんだってさ」
「マジかよ……ひでーな」
心にもないことを、しれっと口にした自分にヘドが出る。
……いつか、この瞬間がくるのを待ち望んでいたくせに。
「あっけないもんだよね。……2年半も付き合ってたのに、ごめん、別れよう、の一言で終わっちゃうとかさ」
レモンスカッシュをひとくち飲んで、古川は頬杖をつく。
「ずっとお互い好きって気持ちは変わらない、って信じてた自分が、バカみたい」
谷口と別れてくれれば。
心のどこかで、ずっとそう願い続けてきたけれど。
いざそうなってみると、古川が悲しむところを見たくないとか思ってる。
「……よっしゃ!今日は思う存分、肉、食おうぜ!」
「……だね!どんどん食べるぞぉ!」
……我ながら、矛盾してるよな。
でも、彼女が笑ってくれて、俺は心底ほっとしたんだ。
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