たとえば、ポケットの中のゴミみたいに

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「ありがとうございましたー」 レジでもらったミント味のアメを、ジーパンのポケットに突っ込んで、俺は古川と一緒に歩きだす。 駅まで送って別れようと思っていたのに、児童公園の前で、古川が急に足を止めた。 「あー、ブランコだ、なっつかしー。ねー、平山くん、ブランコ乗ろうよ!」 不自然なほど明るい口調が、かえって痛々しい。 「……わかった」 あまり帰りが遅くなるとまずいな、って理性と、少しでも長く古川と一緒にいたい、って煩悩で、頭の中がぐちゃぐちゃなまま、彼女の隣のブランコに腰かけた。 「少しだけだからな」 「はいはーい」 生ぬるい夜の風が俺たちの頬をなでる。 「……真のぶぁーか。浮気者」 ブランコをこぎながら、古川がポツリと呟く。 「あんたなんか、机の角に100回足の指ぶつけちゃえ」 ささやかな呪いの言葉を口にする彼女の瞳から、涙がこぼれおちる。 「そんでもって、せいぜいもだえ苦しめばいーんだ。……ばーか」 告白すべきは、今日じゃない。 古川は、全然悪くないよ。 ただ、谷口とは縁がなかっただけの話で。 ……みたいな感じで、もっともらしく慰めるのが正解なんだ。
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