四章 皇女は立ち向かう

58/60
538人が本棚に入れています
本棚に追加
/225ページ
「キャンディス皇女様はお優しいですね」 「え……?」 「普通、侍女とお菓子を食べようなどと思いませんわ」 「そうかもしれないけど、わたくしの部屋の中だし、みんなで食べた方が美味しいと思ったのよ」 「ありがとうございます。皇女様」 「大好きです、キャンディス皇女様」 二人の言葉にキャンディスは温かくなる胸を押さえた。 心臓がありえないくらいにドクドクと音を立てる。 この気持ちを二人に伝えたいと思い、キャンディスは口を開いた。 「わ、わたくしもエヴァとローズが大好き……」 「皇女様……!」 「本当ですか!?」 手を合わせて喜ぶエヴァとローズになんだか照れ臭くなってしまう。 「ず、ずっとそばにいたいとそう思っていなくもなくってよ!」 「「はい!」」 涙目で頷くエヴァとローズは今日も息がぴったりである。 二人と共にホワイト宮殿へと戻り、アルチュールとジャンヌと合流してからお菓子を食べたのだった。 記憶を取り戻してから数ヶ月経って、アルチュールはキャンディスに懐いて今ではすっかり本物の弟のようだ。 しかし最近、ある問題が起こる。 それはアルチュールからキャンディスへの愛が深すぎることだ。
/225ページ

最初のコメントを投稿しよう!