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「キャンディス皇女様はお優しいですね」
「え……?」
「普通、侍女とお菓子を食べようなどと思いませんわ」
「そうかもしれないけど、わたくしの部屋の中だし、みんなで食べた方が美味しいと思ったのよ」
「ありがとうございます。皇女様」
「大好きです、キャンディス皇女様」
二人の言葉にキャンディスは温かくなる胸を押さえた。
心臓がありえないくらいにドクドクと音を立てる。
この気持ちを二人に伝えたいと思い、キャンディスは口を開いた。
「わ、わたくしもエヴァとローズが大好き……」
「皇女様……!」
「本当ですか!?」
手を合わせて喜ぶエヴァとローズになんだか照れ臭くなってしまう。
「ず、ずっとそばにいたいとそう思っていなくもなくってよ!」
「「はい!」」
涙目で頷くエヴァとローズは今日も息がぴったりである。
二人と共にホワイト宮殿へと戻り、アルチュールとジャンヌと合流してからお菓子を食べたのだった。
記憶を取り戻してから数ヶ月経って、アルチュールはキャンディスに懐いて今ではすっかり本物の弟のようだ。
しかし最近、ある問題が起こる。
それはアルチュールからキャンディスへの愛が深すぎることだ。
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