三章 愛されない悪の皇女

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今のところ関係が変わらないのはマクソンスくらいだろうか。 そしてキャンディスを操り人形にしようとするラジヴィー公爵は「母親に会うことを諦めた」ということで、彼の作戦を潰すことに成功。 思い出すだけでも腹立たしい姑息なやり方である。 あれからラジヴィー公爵から連絡はなく、今のところ不気味なくらい静かだ。 それは皇帝であるヴァロンタンの名前を使ったからだろうが、その効果が切れるのも時間の問題だ。 彼の野望はこんなことで絶対に折れたりしない。 そして皇帝にマナー講師を頼むと言ったことと、母に手紙を届けてもらうと言ったことを思い出してキャンディスは頭を抱えた。 (お父様にマナー講師や手紙を渡してもらうことを頼むのを忘れてしまったわ!) そう思いつつもこの状況で言えるわけないかと思い直す。 失態ばかり繰り返していたため、頼み事をする雰囲気ではなかったと自分を納得させていた。 (……わがままを言ってはダメだわ。自分でどうにかしないと) だが何もしなければラジヴィー公爵はまたホワイト宮殿にやってくる。 そうすれば逃げられないではないか。 キャンディスになってから問題が立て続けに起こっているため、すっかり忘れていた。 (次から次に問題が……!もうわたくしにどうすればいいというのよ!)
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