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「ジャンヌ、エヴァ、ローズ……お願いがあるのだけれど」
「なんでしょうか?」
「ラジヴィー公爵と関わりがない講師を知らないかしら?」
「ラジヴィー公爵が関わっていないとなると、かなり少なそうですが……」
腐っていても帝国貴族の一番上の地位にいる公爵家だ。
実際、こんな捻くれているキャンディスが完璧なマナーを身につけられるほどに腕のいい講師たちが揃っていた。
しかし幸いなことに今はもう記憶があるため、そこまで講師たちの手を借りなくてもいいだろう。
エヴァとローズは「私たちはあまり……」と首を捻る中、ジャンヌは頷いてくれた。
「わかりました。声をかけて知り合いにいないか探してみますね」
「ありがとう。ジャンヌ、お願いね」
そして数日後、キャンディスはジャンヌに頼んでラジヴィー公爵の息がかかっていないマナー講師を頼むことに成功した。
ジャンヌの直接の知り合いというわけではないが、ホワイト宮殿に新しく入った侍女の知り合いで、とても教え方が上手いそうで「皇女様に是非」とのことで呼んでもらうことになった。
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