三章 愛されない悪の皇女

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「ジャンヌ、エヴァ、ローズ……お願いがあるのだけれど」 「なんでしょうか?」 「ラジヴィー公爵と関わりがない講師を知らないかしら?」 「ラジヴィー公爵が関わっていないとなると、かなり少なそうですが……」 腐っていても帝国貴族の一番上の地位にいる公爵家だ。 実際、こんな捻くれているキャンディスが完璧なマナーを身につけられるほどに腕のいい講師たちが揃っていた。 しかし幸いなことに今はもう記憶があるため、そこまで講師たちの手を借りなくてもいいだろう。 エヴァとローズは「私たちはあまり……」と首を捻る中、ジャンヌは頷いてくれた。 「わかりました。声をかけて知り合いにいないか探してみますね」 「ありがとう。ジャンヌ、お願いね」 そして数日後、キャンディスはジャンヌに頼んでラジヴィー公爵の息がかかっていないマナー講師を頼むことに成功した。 ジャンヌの直接の知り合いというわけではないが、ホワイト宮殿に新しく入った侍女の知り合いで、とても教え方が上手いそうで「皇女様に是非」とのことで呼んでもらうことになった。
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