三章 愛されない悪の皇女

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ラジヴィー公爵が呼んだ厳しくてスパルタな講師たちとは違い、新しい講師はキャンディスに対してとても優しく接してくれた。 以前は母親に会うためにホワイト宮殿にこもって毎日毎日勉強漬けだったが今はキャンディスのペースに合わせてくれるし無理難題を押しつけられることもない。 (やっぱりお祖父様の呼んでくれていた人たちって厳しすぎたのよ!) こうして新しく外部の人間と触れ合えるのはいい刺激になる。 ただキャンディスはこのモネという講師に違和感も感じていた。 (わたくしが五歳だとしても、教える内容がなんだか簡単過ぎないかしら。それに知識に偏りがあるような気がするのだけれど) 以前のキャンディスが知っていることすら知らないし、帝国貴族たちの事情にも疎い。 それに加えて、部屋を見回していたり宮殿のことをさりげなく問いかけてきたり、護衛が何人いるかチェックしてくることも不思議に思っていた。 キャンディスが聞いても、子供だと思っているのか適当にはぐらされているような気がしてならなかった。 キャンディスが講師を紹介してくれたという新人の侍女を呼び出して直接、問いかけることにした。
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