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「ねぇ……あなたがモネ講師を紹介してくれたのよね?」
「はい、そうですわ。皇女様が楽しく学んでくれているので嬉しいと言っていましたわ」
「どこの家の方なのかしら」
「え……?」
一瞬、表情が曇ったのをキャンディスは見逃さなかった。
しかしすぐに侍女の表情は元に戻る。
何かがおかしい……そう思ったキャンディスは詳しく追求することにした。
「モ、モネ講師が来てから詳しいことをお話いたします……!紅茶でも飲んでお待ちくださいませ」
「……わかったわ」
キャンディスが新人侍女が淹れた紅茶を飲んでモネ講師が来るのを待っていた。
(さっきの間、やっぱり気になるわ。なにかあるのかしら)
キャンディスがソーサーにカップを置いて問いかけた時だった。
「ねぇ、やっぱり……っ!?」
言葉の途中で突然、体から力が抜けたことに驚いていた。
キャンディスの手からスルリとカップとソーサーが落ちて、ガチャリと音を立てて割れてしまう。
キャンディスの体から力が抜けていき、そのままソファにもたれかかるようにして倒れ込んだ。
新人侍女の唇がにっこりと弧を描いた。
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