四章 皇女は立ち向かう

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四章 皇女は立ち向かう

あの後、暫くはバイオレット宮殿に滞在するようにユーゴに言われて、キャンディスは訳がわからないままベッドに寝ている。 (どうしてこんなことに……?) 誘拐事件の次の日、キャンディスはやることもなくベッドの上で本を読んでいた。 外に行こうとしてもヴァロンタンに許可をもらわないとダメだと言われて部屋に閉じこもりっきりである。 もう元気になったと訴えかけても解放されることはない。 ヴァロンタンはキャンディスがいる部屋に資料を持ち込むとと、椅子に座りながら何かを書き込んでいる。 (うぅ……なんでいるのよ!大人しくしていないと) キョロキョロと辺りを見回すとサイドテーブルに置かれている本が目に入る。 黙って本を読んでいるとキャンディスの目の前に置かれるお菓子と甘いミルク。 たまに視線を感じるので、キャンディスは緊張する時間を過ごすはめになる。 ヴァロンタンに「食え」と言われて再びクッキーを口にする。 甘いミルクとチョコレートが練り込まれたクッキーに頬が溶けそうだ。
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