四章 皇女は立ち向かう

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そんな被害が帝国貴族たちの間で頻発していたそうだ。 しかし情報を吐かせたおかげでやっと犯人グループを全員、捕えることができたそうで、今はアジトの場所から奪いとった金の行方まで調べているらしい。 ユーゴの報告をキャンディスが本を読みながら知らんぷりして聞いていた。 ユーゴたちはヴァロンタンはキャンディスがこの会話の意味を理解しているとは思っていないはずだ。 「ユーゴ……まさかこうなることがわかっていて泳がせていたのか?」 「…………。いいえ?」 「……」 「もう二度とこのようなことがないようにするので、剣先をこちらに向けないでくれませんか?」 ヴァロンタンがいつの間にはユーゴの喉元に剣を向けている。 キャンディスは大きく肩を揺らしたが、ユーゴは笑みを浮かべながら余裕の表情で手をヒラヒラと動かしている。 (やはりユーゴは只者じゃないわ……!) キャンディスはこの会話を聞いたことと、ユーゴの行動からある考えが頭をよぎる。 薄々感じていたが、どうやらキャンディスの考えは間違っていないようだ。
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