四章 皇女は立ち向かう

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(エヴァとローズ、アルチュールは大丈夫なのかしら。ジャンヌは責任感が強いから早く安心させてあげたいけど……) キャンディスがソワソワしているとバイオレット宮殿の侍女からキャンディスの様子を聞いたのかユーゴが部屋を尋ねてきた。 キャンディスはユーゴに飛び掛かるようにしてエヴァやローズ、ジャンヌが無事なのかを問いかける。 「事情は説明しております。皆様、キャンディス皇女殿下のことをとても心配されていますよ」 「そ、そう……!」 キャンディスはユーゴの言葉を聞いてパッと顔を明るくした。 今まで誰かに心配されたことがあっただろうか。 自分と同じように会えないことが寂しいと思ってくれている……それがとても嬉しいと感じた。 しかし次のユーゴの言葉でその熱も冷めてしまう。 「それとホワイト宮殿の護衛や侍女たちをチェックして二度とこのような不備がないように調整中ですから」 「え……?」 「総入れ替えするそうですよ」 キャンディスはユーゴの言葉を聞いて、どんどんと顔が青ざめていく。 「そ、それって……エヴァやローズは?シェフたちもいなくなるということ!?」 「キャンディス皇女様?」 「わたくし、みんなと離れたくないのっ!」 「私にそう言われましても……」
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