四章 皇女は立ち向かう

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キャンディスはできるだけ大人しくして殺されないように努力をしている。 ユーゴは何かを察したのか大きなため息を吐いた。 「はぁ……ですが身元もチェックすることなく盗賊を雇ったホワイト宮殿の侍女長には責任を降格とさせていただき、他の宮殿の侍女に戻っていただきます」 細身の若い眼鏡をかけた侍女長の姿を思い出す。 彼女が盗賊を雇い入れてしまったのも、元はといえば侍女たちを大量に辞めさせてしまったキャンディスのせいだろう。 自分のせいだと思うと、なんだか申し訳ない気分になった。 「皇帝陛下の命令で今、ホワイト宮殿の者たちは身辺を調べあげております。潔白なことが確認出来次第、元に戻しても構いませんか?」 「ああ、それでいい」 「よかった……!」 キャンディスはエヴァやローズとまた会えることにホッと息を吐き出した。 「何故、勝手なことをした?」 「それは……」 キャンディスはヴァロンタンからの問いかけに口篭る。 もしかしたら今、講師のことや母のことを伝えるチャンスかもしれないと思ったがキャンディスは迷っていた。 (……お父様がわたくしのために動いていくれるなんて期待しちゃいけないわ)
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