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(憎い……あの女が憎いっ!絶対にわたくしの手でぶっ殺してやる)
キャンディスが持っていたものが穢らわしいルイーズの手に渡りそうになっている。
そんなことは許せるわけがないのだ。
「何故、わたくしがいるべき居場所にお前がいるのよ!?」
「私はみんなを救いたかっただけです。なのに……っ」
「くだらないことを言わないで。今すぐにその汚い手を離しなさいっ!」
キャンディスがいくら怒鳴ろうとも、ルイーズは父のそばを離れない。
この国の皇帝である父に認められたくて、キャンディスは幼い頃から血反吐を吐くような努力をしてきた。
皇女として相応しい振る舞いを身につけたのも、こうして他の兄弟達にも負けないように武力を手にしたのも……すべては父に愛されたいがためだった。
なのにルイーズが王宮にやってた途端、すべてが壊れたのだ。
ルイーズはあっという間に他の兄弟たちや父の心を掌握していった。
そして父のために、この男との縁談まで了承したにも関わらず、その婚約者キャンディスの味方をすることなく当然のようにルイーズの隣にいる。
(わたくしの居場所を奪ったあの女を許してなるものかっ!)
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