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キャンディスはどうにかしてルイーズを排除しようと動くが、ことごとく他の兄弟たちが彼女を守ろうと動いた。
そしてルイーズも彼らをうまく味方につけた。
(……邪魔なのよ!)
己の力を見せつけるためとルイーズを排除するために、キャンディスは邪魔をしてくる兄たちを殺して回った。
キャンディスは幼い頃に父に言われたこの言葉をずっと覚えていたのだ。
『この中で一番、強い者に跡を継がせよう。腕を磨け』
その言葉はキャンディスに大きな希望を与えるのと同時に、邪魔者を消す理由となる。
ずっとずっと父に愛されることだけを夢見ていた。
それ以外、キャンディスにとってはすべていらないものなのだ。
だけど父は今日までキャンディスを見てくれない。
キャンディスはルイーズがやってくる前までは、ディアガルド帝国たった一人の皇女だった。
生まれた時から宮殿に来たこともなく離れて暮らしていた母が死に、キャンディスに残された親は皇帝である父だけ。
母の愛を一度も得られなかったキャンディスは父に愛されたいと思うようになる。
その想いは日々大きく膨らんでいき、いつか笑いかけてくれる日を夢見てキャンディスは生きてきたのだ。
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