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「お父様のために誠心誠意尽くしてきたわたくしを見捨てるのですか!?ディアガルド帝国に相応しいのはその薄汚い鼠ではなく、由緒正しき高貴な血を引くわたくしのはずですわ!」
「…………もういい。お前には失望した」
「え……?」
キャンディスは父の言葉に呆然としていた。
『お前には失望した』
この言葉はキャンディスにとって、もっとも聞きたくなかった言葉だったからだ。
コツコツとブーツの音が響く。目の前にはあんなにも焦がれていた父の姿があった。
先ほどの言葉は気のせいだと言い聞かしながら自分が間違っていなかったのだと、そう思い込んだ。
「お願いです……!お父様、わたくしを愛してくださませ」
「コイツを牢に連れて行け」
「牢……!?どうしてッ」
「不愉快だ。その顔を二度とみせるな」
「な、んで……?」
心が痛くて呼吸ができなくなるほどのショックだった。
(どうしてお父様はわたくしを愛してくださらないの!?そこの女よりも、わたくしの方がずっとお父様のことを思っているはずなのに……!)
キャンディスが今まで積み重ねていたものが、ガラガラと崩れ去っていく。
父はルイーズを連れてキャンディスの横を歩いて去っていく。
ルイーズはキャンディスの横で立ち止まると、耳元で囁くように言った。
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