序章 悪の皇女は愛されない

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序章 悪の皇女は愛されない

キャンディスの目の前、首元に突きつけられるのは銀色の剣先。 今日のために用意した煌びやかなドレスも時間をかけて整えた髪も美しく磨いた肌も、最愛の父の目には映っていない。 会場にいる皆がキャンディスを睨み、敵意を向けているような気がした。 「愛おしいお父様、嘘ですわよね?」 「…………」 「わたくしは、お父様のために腕を磨いて努力してきましたわ!他の兄弟達だって、みんなわたくしが殺しましたのよ? 強い者を認めてくださるとそう言ったではありませんか!」 「……愚かな」 「ねぇ、どうしてですか……?どうしてお父様はわたくしを褒めてくれませんの!?どうかわたくしを見てくださいっ!わたくしを愛してくださいませ」 父はキャンディスから目を逸らしたままだった。 「お父様に認められたい一心でわたくしは…………邪魔者を皆殺しにしたのに」 「……」 「コイツはお父様の悪口を言いましたのよ?この子たちは役に立たないからわたくしが処分いたしました……それにこの女はお父様に色目を使おうとしたと聞きました。ほら、わたくしってすごいでしょう?」 キャンディスの背後には積み上げられた死体の山があった。
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