1人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
「ロボット兵器は、パイロットの脳波を感知して動く。このヘルメットを被ったら精神を集中して」
巨大なロボット兵器の外観とは裏腹にこぢんまりとしたコクピットで、教授からコードのついたヘルメットを手渡され、頭に装着してみる。これを装備して怪獣と戦うのか……
私の家族を奪った怪獣をこのロボット兵器で、私が、倒すんだ、必ずっ! そう思うと自然と体に力が入る。
コクピットに電源が入り、モニターに『確認』と表示されるが、機内にブザー音が鳴り響く。
「異常な脳波を確認しました。ヘルメットを外して下さい」
「どうしたんですか? 何が起こったの?」
「脳波が乱れてる。落ち着いて。これは異常な脳波を確認したら誤作動起こすの。興奮しない、落ち着いて」
「落ち着いてと言われても!」
ロボット兵器が急に動き始めた。脚をドカドカを動かして勝手に徘徊を始めている。どうやって止めたらいいのかわからない。この状況で落ち着いてと言われても、急に落ち着ける訳がないよっ!
「あなたにとって安心出来る事は何? 幸せだった事は何? 思い出して」
「幸せだった事…」どんなに怪獣が街を破壊しても、両親はあの時までずっと一緒にいてくれたその時は、どれだけ地獄のような状況でも何故か幸せだった。
「再確認しました。それでは当機のパスワード管理を音声入力で行って下さい」
「パスワード?」
「当機の正式名称となります。どうぞパスワードを登録して下さい」
「パスワードは『タックネーム・リオン』で登録を完了して」
「了解しましたアメリア・ライオンハート。タックネーム・リオン、稼働します」
最初のコメントを投稿しよう!