モンスターエンジン〜怪獣自衛隊〜

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 「怪獣はどうして現れたんですか?」  腕立て伏せをしながら、私は教官に訊ねた。 「どこかの国が『排他的経済水域』に飛翔体を発射したものが海中で爆発し、棲んでいた生物が汚染され遺伝子に異常を来たしたのが原因じゃないかと言われている」  排他的経済水域はアローヘッドが自由に漁業や資源開発が出来る、岸から三百海里の距離で権利はアローヘッドが持っているが、怪獣が現れるまでは時々ここに飛翔体が撃ち落とされる事があった「水域」という事は怪獣は海から出現し、沿岸部から内陸部に移動した事は間違い無いだろう。  「目的はなんですか?」  「生物共通の目的で考えれば、繁殖という事になるが、つるはし頭がオスなのかメスなのかわからない。だが別個体がいると想定した場合、最悪の事が考えられる」  「既に繁殖済みという可能性もあると」  以前のとんかち頭は、つるはし頭の子供で卵から孵化したのが陸にあがって来たという可能性は充分にある。怪獣自衛隊の通常兵器で倒せたのはまだ子供だから防御力が弱かったから、だから山蛭にも血を吸われていた。何よりつるはし頭はとんかち頭とフォルムがとても似ているのが特徴的だとすると教官の言っている事には凄く説得力がある。  「そうだ、その場合どこに産卵しているし、どのくらい産んでいるのかも問題だ」  「教官、幼体であれだけのサイズです。卵があるなら既に発見されてもおかしくはないのに発見されていませんし、別個体の確認もまだとれてませんよ」  「確かに、私の見解だと、生き物はサイズで一度に産める子供の数が違う。小さい虫や魚なら一度に複数出産出来るけど、哺乳類は一度に一つしか出産出来ない。怪獣も恐らく。卵を天敵から守る為に安全な場所に巣を作ってそこで負荷を待っているんだと思う」  「ちょっと待て!あいつに巣があるっていう事か?」  「多分ね、別個体が見られないのは、成長の過程でオスからメスに変化したんでしょう。魚のブダイみたいに。それで別個体と後尾することなく自分のコピペを作る事が出来る」  「オネエかよあいつは!」ギデオンは声をあげた。  「二人とも私語は慎め。とにかく訓練はこれまで以上に厳しいものになることは覚悟しておくんだな!」  
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