モンスターエンジン〜怪獣自衛隊〜

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モンスターエンジン〜怪獣自衛隊〜

一 「こちら『初風』背後から巨大な影が接近、全艦隊、警戒せよっ!」 小さい頃はプラモデルが好きだった。戦艦や戦闘機それから恐竜に、列車と新しいものが出ると親にねだって買って貰ったものだ。こうして水を張ったミニプールに島のジオラマや戦艦のプラモデルを浮かべて遊ぶのが一番の想い出だった。体ごとプールに浸かり、戦艦や恐竜たちを動かして遊ぶと、まるで巨人となって島を見下ろしたような気分になる。 「『式波』が大破! 続いて『綾波』『蒼龍』も大破、なんなんだあいつはっ! 鯨にしてはやけにデカイな。恐竜か?」 いっとう大きな恐竜のモササウルスを艦隊の真下に潜らせる。それを上に向けてぐいぐい押し上げながら激しい波をたてながらざばっと戦艦をひっくり返す。 「なんて事だ『時津風』『天津風』『浜風』も大破っ! 『谷風』と『磯風』もやられた。全艦退避行動をとるように!」 モササウルスで軍艦たちを横倒しにしていく。 「『金剛』『霧霜』『秋風』もやられた。信じられないミッドウェイの海戦で猛威を奮った戦艦なのに、こうなれば魚雷発射用意!」 水中でくるくるとモササウルスを回し、発射された魚雷を回避する動きをさせる。そして、戦艦の『雪風』に急接近しながら大きな口をガバっと開く。 「雪風が食われるっ! 畜生、来るなら来い! 九三式魚雷十二個全て発射させろ!兵装の照準を恐竜に集中させろ!」 五十口径三年式の連装砲と、連装機銃の銃口をモササウルスの口の中に合わせる。雪風とモササウルスの至近距離での真っ向勝負だ。 「なんて強さだ、このままでは『雪風』もやられてしまう、一旦回避行動を、いや逃げちゃいけない逃げちゃいけない逃げちゃいけない逃げちゃいけないっ!」 『雪風』の船内では今にも飲み込まんとしているモササウルスを前に葛藤が繰り広げられている。 「『雪風』は大戦中を生き残った幸運艦だ。奇跡は起きる! しかしいくら撃っても奇跡が起きる気配がない! こんな恐竜とは戦いたくない戦いたくない戦いたくない!」 そこで空中から戦闘機の『ラプター』を登場させる。 「こちらタックネーム『リオン』、目的地に到着した。雪風、よく耐えた! 俺たちの戦闘はこれからだ!」 戦闘機が到着し、これでモササウルスに形成逆転かに見えたが、ここで更なる脅威の登場だ。モササウルスより遙かに巨大な古代鮫「メガロドン」が急襲っ! モササウルスを横からがぶりと噛みつき倒してしまうっ! 「なんなんだ、あのでっかい鮫は。逃げろ! こっちに来るぞ!」 巨大な背びれを水面に突き出して、水中を旋回しながら『雪風』に接近してくる。 「アメリア、またミニプールで遊んでこんなに散らかして、どうするんだ? パパたちはもう引っ越さなきゃいけないんだ。早く片付けなさい」 父親の一言で、私、アメリア・ライオンハートは現実に引き戻される。
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