24人が本棚に入れています
本棚に追加
小学生の思い出
私は小学2年生の時に引っ越してきた。
この町の子どもたちは、幼稚園から中学校まで地元の学校に通い、ほぼ同じ顔ぶれで進学する。
転校生の私は、高学年になっても名前と顔が一致しない子も少なくなかった。
初めて海斗の存在を意識したのは、小学校6年生の時。
クラスの女の子達が、隣のクラスのある男の子のことを噂しているのを聞いてしまった。
「海斗と愛里ちゃんてさぁ、両思いって聞いたけど本当なのかな?」
「それは分かんないけど、海斗と同じクラスになったら女の子ってみんな、海斗のこと好きになっちゃうよね〜。海斗を嫌ってる子っていないんじゃない?」
もう、それはそれは、海斗がモテるんだということを、十分すぎるほど私に植え付けるゴシップだった。思わず、海斗ってあの子だよね?と顔と名前を答え合わせしていた。
確かに愛里ちゃんは可愛くて、頭も良くて、運動もできる完璧な女の子。
あり得なくはない…。
最初のコメントを投稿しよう!