黒歴史と白歴史

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驚いて横を見ると、それは海斗だった。 「…な、なに? びっくりした。なんで海斗がいるの? 怖いんだけど…」 「付いてきた」 「やっぱ、怖っ!」 「最近、茜さぁ、俺のこと避けてる?」と聞きながら覗き込んでくるもんだから、慌てて顔を反対側へ向けた。 「ほらぁ〜、俺と目、合わそうとしないだろ?」 「それとこれとは…違うでしょ!」 「なんか、前と違うっていうかさ…なんで?」 「なんでって…」 絶対わかってるくせに… あの日の事が原因だっつーの。 「怒ってんの?俺のこと」 「別に……怒ってるのは海斗のほうじゃ…」 「怒ってないし」 「でも、私が変なこと聞いたから…」 しばらく沈黙が続いたあと 海斗は「ふぅー」と大きく深呼吸をしたかと思うと 「……俺のこと、どう思ってる?」 海斗は私の身長に合わせるように、少し腰をかがめ顔を近づけて聞いてきた。
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