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「………。」
「ほらっ、茜も一緒じゃん」
「何が一緒なのよ?」
「俺だって、突然(どう思ってるか)とか聞かれても…すぐには答えられないんだって!」
「ごめん…。でも、ふつうって…」
「あんな雰囲気で…掃除中とかさ、それに誠もいただろ? だから…ちゃんと返事できなかったし、したくなかったんだよ」
「うん、そっか」
「なぁ、ここって話しにくいから…」
そう言うと海斗はスタスタと図書室の出口へ歩きながら私を手招きした。
私は持っていた本を元の位置に戻すと、慌てて海斗の後を追った。
海斗が向かったのは裏庭。
キンモクセイが満開で、ほんのり甘い香りを漂わせている。
(あの日はまだ咲いてなかったのに…。)
上履きを汚さないように校舎を囲んでいるコンクリートを選んで歩く。
日当たりのいい場所を見つけ2人で腰を下ろすと、海斗は静かに話し始めた。
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