:魔王と勇者と聖女

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 わたくしとレオさま、ヨアケさまとリリィさま、この四名合同で結婚記念式典を行ったのですけれど……まさか、その日が記念日となり、祭りになってしまうとは予想もしておりませんでしたわ。  合同で行った結婚式が懐かしいですわね。 「創世神様、ならびに眷属のみなさま、我々が生きる糧を育んでくださる世界の恵みに感謝いたします」  聖女として召喚されたリリィさまの祈りに呼応するように、精霊たちがキラキラとした魔力の光を撒き散らしながら、わたくしたちの周囲を旋回しておりましたわ。 「我ら一同、言の葉の神様への誓いを厳守し、他者の不幸を願わず、あらゆる種族が共に笑顔で共存できる世界を目指すことを未来永劫の平和への祈りと共に、この地にて捧げます」  勇者として召喚され、ヨアケさまから魔王の座も引き継いだレオさまが、ヨアケさまと共にこの誓いの言葉を神々とその眷属のみなさまへと捧げましたの。 「願わくは、人々の幸福と笑顔を願う、言の葉の神様の御加護がありますように」  わたくしも、なぜか聖女扱いでこの祈りの言葉をみなさまの前で捧げたのですけれど、わたくしなどが聖女と呼ばれるなど畏れ多く……神々がお怒りにならないか不安でしたが……。  お優しい精霊さまたちが、キラキラとした魔力を周囲に振り撒きながら、『だいじょうぶだよ』とわたくしに囁いてくださいましたの。  世界が愛で満たされたならば、世界からは争いが無くなるのでしょうか?  そうなってほしいですわ。  争いに巻き込まれ傷つく人々の姿など……大切なかたを争いのせいで失ってしまった人々の姿など……もう見たくはございませんもの。
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