:ボクの願い

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 ボクに叶えられる願いごとなんて、ボクに届く願いごとのほんの一部でしかないけれど……。  ただ見守っていくことしかできない、声すら届かないことだってあるけれど……。  その人が欲しかった言葉と、ボクの願いを伝えることしかできないけれど……。  そんなボクに『言の葉の神』という名前をくれて、祈りを捧げてくれるこの世界の住人たちに、ボクができることがあるとすれば……。 『幸せのカタチは人それぞれで、考え方も、ものごとの受け止めかたも、個々それぞれだけれど……』  善も悪も、時代と環境によってその境界が変化してしまうものだけれど、それでも。 『この先の未来もずっと、誰かを思いやるその心を失わないでいてほしい。ボクに祈りを捧げてくれるキミたちの未来が、笑顔で溢れていることをボクは願っているから。みんな、幸せになってね』  キミが、笑顔になれる日がくることを願っている。  誰もが笑顔で過ごせる世界であればいいなと思っている。  ボクの願いは、いつだってそれだけだから。
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