:ボクの願い

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:ボクの願い

 見守っていくことしかできない。  声すら、届かないこともある。  それでも、涙を流しながらも微笑んでくれたキミには、ボクの声は届いたのかな?  〝がんばれ〟って言葉はね、人によっては重荷になることもあるんだ。だからボクは使わなかった。  勇気を与えることもできる言葉だよ。だけど……キミにとって、それは重荷になったんだよね。 ――〝これ以上、何をがんばればいいの?〟  キミの心の叫びが、聞こえたから。  悪意の無い〝がんばれ〟に、傷付いていたから……。  〝がんばれ〟は、誰かを追い詰めてしまうこともある言葉でもあるから、使う時には気を付けないとね。  ボクは、何の神様かって?  八百万の神の末席にいるかもしれないし、いないかもしれない……そんな存在だよ。  ボクが叶えられる願いごとは、聞こえないかもしれない言葉を伝えること。  その人が欲しかった言葉と、ボクの願いを伝えるだけ。 『泣きたい時には、泣いてもいいよ』  がんばることに疲れたキミが望んでいた言葉。 『キミが笑顔になれる日が来ることことを願っている』  いつだって、ボクの願いは、それだけだから。  立ち止まったっていい。  泣いたっていい。  またキミが笑えるようになるために、それが必要なら。  今度は、笑顔のキミが見たいなぁ……。
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