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▼ボクと揺らいだ時空の願いごと
ボクは、この世界のどこかにいるかもしれないし、いないかもしれない。
とてもあやふやで不確かな存在。
「このあたり、時空が揺らいでいるらしいから近づかないほうがいい」
「ええー!? なにそれ、こわい」
どこかの世界の誰かの声が聞こえることもあるけれど、ボクが声の主のところまで、この意識体を飛ばせることはまれだ。
強い願いごとには引き寄せられる。
……それが、どんな願いごとだったとしても。
――〝復讐したい〟
――〝かえりたい〟
雑談で笑顔を浮かべているようにさえ見えた彼らの心の中は、怒りと悲しみがごちゃまぜになっていたんだ。
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