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『気付かれましたか』
『もしかして、わざと戸籍って言ってくれたの』
『…もし、会えたとしてもあなたが父親として認知されることはありません。どこの誰だか知りもしないでしょう。そもそもにして、見つからないかもしれません。…私もこんな話をしてしまってはポイントが減ってしまいますので、お話はここまでとします』
『ありがとう…ポイント減っちゃうの覚悟で言ってくれて。この世界でもうちょっと生きてみる。探し出して見せる。どこの誰だか分かんなくても、嫌われても、俺は息子をこの目で見たい。』
あの当時まだお腹にいた俺の息子はまだ生まれておらず、戸籍登録されていなかった。
だからまだ会える可能性があるらしい。
正直全く意味の分からない制度だ。
死んでしまってからは、それが良いのか、悪いのか分からないけど、早希と息子がまだあの世界にいて普通に暮らせるなら俺は死んだかいがあったってやつだ。
『では、本日の相談を担当させて頂きました木佐でした。また何かありましたら、【あの世友の会】までご連絡下さい』
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【この世】と【あの世】は表裏一体。
【あの世友の会】は今日も続く。
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