ポケットに忍ばせた狂気

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私は大野先生が学校を去るのがショックで落ち込んでいた。そんな私に菜名は、 「今度の先生の送別会で、マジックをしたらどうかな?大野先生、きっと喜んでくれるよ!」 と提案してくれた。 「マジックか……。先生、喜んでくれるかな……?」 そう呟いた私に、菜名は、 「先生、遥のマジック好きじゃん!どうせなら今までやったことない大掛かりなマジックしちゃうとか?」 明るくノリノリで話を聞いてもらっているうちに、私は俄然やる気になり、どんなマジックがいいかと菜名と相談しあった。 そして、クラス全員を驚かせるマジックを思い付き、大野先生の承諾も取り付けた。 悪のりがすぎるとも思ったが、大野先生もマジックに参加したいと言ったのだ。 そして、あの日、送別会の日がやってきた。
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