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「見えて来ましたね」
カイザルの言葉に、皆が前方を確認する
世界で起こっている、不可解な現象
その被害が大きい場所へと向かい、手掛かりを探す
そうして旅をしてきて、一番被害が大きな場所、そして恐らく、原因となりえる物がある場所
それが、今目の前にある国であるという情報を得て、俺達は辿り着いた
国の中へと入り、とりあえず必要な物を買い、宿屋を探す
歩く先々で、崩れた建物や、道であったのだろう場所に陣取った大きな岩、それらの復興作業をする人達が見受けられる
情報は間違いなさそうだな
けれども、崩れていない建物を見ると、建築技術はかなり優れているように見えるし、道路整備もかなりされている
立派な国だな…
夕食までそれぞれ自由に過ごし、夕食時、皆で情報を共有する
「やっぱり、ここで間違いなさそうね。不可解な自然災害は日常茶飯事だって聞いたわ」
ヒナがそう言うと、
「ああ、そうだな。つい先日も大きな地震があったばかりだと言ってたぞ。な?カイザル」
「ええ。頻繁な災害、終わらない復興で、情勢も不安定で、国を出て行く者も少なくないようです」
エレンとカイザルが答える
「おい、アーロン。さっきのおっちゃんの話聞かせてやれよ」
酒を飲み、手を止めずに食べながら、隣の男にあいつが話を振る
男の深い眉間の皺が、更に深くなる
溜め息の後、面倒くさそうに話す
「ここよりもっと東側に古い神殿があるそうだ。そこの地下に、何か原因に繋がる物があるという噂だ」
神殿…か
一体そこに何があるんだ…
「実際確認した奴は居ないのか?そこに行くのは難しいって事なのか?」
俺がそう聞くと、
「いや、その場所へ行く分には問題はないらしい。ただ、そこへ辿り着いた者も、恐らく原因となる物は確認出来るが、それをどうすべきなのかがわからないらしい。これまで少なくはない様々な者達が、色んな手段を試してみたが、なんの意味も為さなかった。挙げ句、あらゆる攻撃は死へと繋がるらしい」
アーロンが、そう答えるとグビッと酒を飲む
本日のトークはこれまでだと言わんばかりに…
原因の物が解るのに解決方法がわからないか…
やっかいだな…
この国の歴史やら何やら調べなきゃならないのか?
「まあまあ、皆さん。今日はまだ、この国に到着したばかりですし。危険性があるのでしたら、体力も装備も万全で行った方がいいですからね。数日ゆっくり休んで体力を回復しながら、もう少し情報を集めてみましょう」
「おお!賛成!カンパ~イ」
カイザルの言葉に、すかさずあいつが相槌を打ち、気持ち良く飲んでいる
はぁ…
とりあえずは、もう少し聞き回って、神殿についても探ってみるか
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