断捨離

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断捨離

私は今、生きている。そう胸を張って言えることがこんなにも難しいことだとは思いもしなかった。 22歳の私は某山学院大学を2回留年した2年生である。なんだか2が多いような気もするが前者の2はもうそろそろ3に変わりそうであるという。周りの同い年や高校の頃の同級生は既に就活を終え、4月から始まりゆく新社会人生活の準備をし始めている。一方で私は流石の3度目の留年はしまい、と頑張っていたはずだった。2回留年している時点で薄々察するだろうが私は極度に単位が取れないし学校にも行けない。厳密に言えばただ行ってないだけなのである。3回目の2年生を終えそうな今の時点ではもう心が持ちそうになかった。何のモチベーションもなく怠惰に大学へ行き、誰とも会話をせずに帰り課題を提出する。人として生きている実感がどうしたって湧くことはなかった。 私はなぜ、大学に行っているのだろうか。 私はなぜ、大学を卒業しようとしているのか。 私がなぜ、大学に行けていないのか。 私は何を、したいのだろうか。 留年という形で周りとズレた時の中ではこんな自己理解ばかりに時間を費やした。だが当然時だけが止まっており、卒業というゴールがあちらから勝手にやってくるわけではないので自己理解も結論が出ることなく、ただグルグルと回り続けた。 そんな中、私が文字を書き起こすことが好きなのを知っている友人がこのアプリを紹介してくれた。これからはここに私の取るに足らない感情を、丁寧に取ってあげようと思う。 大学を辞めたい、苦しい、辛い。 大学は卒業した方がいい、就活していい就職先は見つけた方がいい。 本心と正論は、時に鏡合わせになってしまう。やりたいことがない人間ほど特にこの二つに錯覚を起こしてしまう。正論というのはいつだって正しくて理解ができる。だからこそ苦しんでしまう。 私が何をやりたいのか、そして何をしたくないのか。正論も経験もいらないのであれば全て捨てて、自分に本当に必要なものを見つける。 そんな断捨離な夜を続けていく。
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