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いつもと変わらない朝。黒縁メガネのキャスターがテレビニュースを読んでいる。また、モンスターが暴れたらしい。 ヤマモト・ジョージ・ヒロシは二人分の味噌汁とご飯をよそい、サラダを用意する。おかずは昨日マートで買ったアジフライをトースターで温める。 ルームメイトのオオツカ・トム・シンペイが起きてきた。ジョージはトムを待ち、揃っていただきますを唱える。 「いつもありがとうな、ジョージ」 「いいよ」 アジフライをさく、とかじる。近所のマートのアジフライは安いが油っぽく、気持ち悪くなる。自分で揚げたほうが美味しいのはわかるが、揚げ物は面倒なので買ってきてしまう。 テレビのニュースをつけっぱなしにしていたことに気づく。ニュースは終わり、コマーシャルが始まっていた。 「モンスター討伐であなたもタウンズビルの英雄!モンスター討伐プロジェクトに今すぐ応募を!」 派手な勇ましい音楽と共に髭を生やした何とかという男性俳優がこちらに向かって指をさしている。 昨年、市議会が立ち上げた「モンスター対策局」、通称DAMの打ち出したコマーシャルだ。仰々しくて頭が痛くなるコマーシャルだな、と毎回感じる。このような安っぽいコマーシャルで果たして志願者が集まるかは不明だ。
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