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ジョージとトムが暮らすタウンズビルは平和と友愛を掲げる街だ。犯罪発生率は他の都市より低く、代々市長を勤め上げるジョンソン一族は英雄として連邦からの覚えもめでたい。 しかし、そんな理想郷を脅かすのがモンスターの存在だ。ジョージが生まれる少し前にはモンスターが大暴れして戦争になった。以来、市議会はモンスター対策に手を焼いている。 モンスター対策は軍が対応していたが、今年四月から「モンスター対策局」なるものが発足した。ジョンソン前市長の娘であるヘレン・ジョンソンが局長に就任し、民間から特別採用をして傭兵部隊を生み出すのだそうだ。 モンスター討伐プロジェクトの応募資格は十五歳から三十歳までの男女で未婚であることが条件となっており、なぜか枠は八名に制限されている。寮、食費、光熱費、その他経費は対策局持ちであり、かつ報酬も出るため、かなり魅力的だ。 「あれだけ高い条件なのにまだ募集をかけているのはなぜだろうな」 トムが呟いた。 「ハイレベルな人材でないと受からないんだろうな。それこそまさにオリンピック選手のような感じかな」 ジョージはテレビに背を向けて支度を始めた。
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