ママが2人になっちゃった!?

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"ブブッ"とメッセージを知らせる振動がトイレの個室に響く。 思わず逃げ込んだのは女子トイレの1室。用を足すわけじゃないのに、便座に腰を下ろしスマホの画面に目を向ける。 ─────────────── (山崎主任) そろそろ戻っておいで 香江ちゃんいないと寂しいよ ─────────────── と、いう文章にうさぎが涙を流すスタンプが1つ。続いて、すぐに次のメッセージがスマホの画面に表示された。 ─────────────── さっきの話 全然、気にしてないからね 俺、ちゃんと香江ちゃんのペースで いこうと思ってるから ─────────────── これって、三浦さんとの会話 全部筒抜けだったんじゃん!あの部屋にいた人、皆に丸聞こえだったことじゃん!! 熱を持っている頬がより赤くなっていく。 気まずい。部署に戻るの気まず過ぎるよ。三浦さんの馬鹿……。 頭を両手で抱えたところで、笑い声が聞こえてきたと同時に扉が開く音がして数人の女の人がトイレに入ってきたのが分かった。 「昼休み終わっちゃうから、急がなきゃ」 「やば、化粧崩れまくりー」 「見せる相手もいないしどうでもよくね?」 きゃっきゃと、繰り広げられる彼女達のやり取りに思わず息を潜める。 仕方ない。この人達が出てってから戻ろ。 完全に出るタイミングを逃した私は、彼女達の会話が嫌でも耳に入ってきた。 「ねぇ、20歳(はたち)で子供いるってヤバくない?」 「あー、あの子ねぇ。凄いよね。10代で産んだって話ね」
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